ポケベル


ポケベルが登場したのは、1958年にアメリカで開始されたベルボーイというサービスといわれています。日本では1968年にサービスが開始されました。アメリカでは今から70年以上も前、日本においても60年以上も前の事になります。ポケベルが日本で開始された時代は、メキシコ五輪の開催する年であったり、ベトナム戦争の真っただ中であったりと動乱の年でした。また、この年にはGNPが世界第2位になるなど日本は、徐々に第二次世界大戦の傷が癒え始めた時代でした。

本格的に一般の方にポケベルが浸透したのは1993年です。それまではビジネスマンが主体のサービスでしたが、この時代になると女子高生を中心にブームとなり、ポケベルが題材のテレビドラマなども登場しました。

しかし、このポケベルブームも長くは続きません。ポケベルが若者を中心に一大ブームであったのは、1993年から1996年のわずか3年の間だけでした。ポケベルのブームが衰退した背景には、日本国内において携帯電話やPHSの料金がリーズナブルになり、お金をあまり持ち合わせていない若者でも、無理なく所有することができるようになったからです。

ポケベルは、PHSや携帯電話の届かないところでも電波を受け取ることができたので、常に連絡を取り続けなければいけなかったビジネスマンを中心に、その後も使われ続けていましたが、携帯電話の電波のカバーするエリアが広まったことやスマートフォンの普及により、2019年の9月30日をもってサービスが終了しました。